実は、重要文化財レベルの本格的な古民家です。箕澤屋の見所というか、ポイントを少し紹介

7月〜カフェを始め、イベントなども開催されるようになり、少しずつですが、箕澤屋を見ていただく機会も増えてきております。うーん、ありがたい!

で、せっかくこの古民家のことを知っていただいた方に、改めてこの建物のこと、少し紹介しようと思い、今日は書いてみます。

江戸末期に建てられた豪農の屋敷

この建物、中に入るとほとんどの方が、「ほんっと、すごい!」と驚いてくださります。

それもそのはず。

この古民家「箕澤屋」は、江戸時代末期、1861年(文久元年)に豪農の屋敷として建てられた建物

長年、空き家となっていたため、建物の老朽化は進んでいますが、元々の造りは立派。

それを、近隣の方々が、この歴史ある建物を後世に残すべき、と今まで大切に管理・保存をしてくださっていました。

そういった経緯もあり、周辺地域に長く住む方々には、よく知られた存在。

私が、箕澤屋という名前を伝えると、

「昔、行ったことあるわよー」

「懐かしいねぇ」

と、昔の思い出を話してくれます。

私もまだまだこの家について、知らないことも多いのですが、いろいろな方の話や過去の資料を見ていくと、豪農の屋敷だったということから、昔はこの場所に、人々が年貢を納めにきたり、薬やビール作りなどの商売をしていたりと、ある程度力のある家だったそうです。

今の我々世代には、そんな気配は全くないんですけどね。笑

古民家好きにはたまらない、重要文化財レベルともいえる建物です

箕澤屋は、重要文化財ではありません。

ただ、文化財に近い建物とは言えると思います。

というのも、過去には、この建物の重要性を感じ、当時の持ち主が、町への寄贈を申し出たり、日本ナショナル・トラスト協会に相談したりと、どうにかしてこの建物を残したいと、保存方法をいろいろと検討した時期もありました。

そこで、調査が行われたり、協会のメンバーが集まって掃除をしてくれたりと、いろいろな活動が度々行われ、その様子が記事としてもまとめられています。

しかし、予算の問題等々で、具体的な保存計画まではいきつかず、結果、直近の20〜30年ほどは、近隣の方々で結成された「箕澤屋を守る会」によって守られてきました。

(→築150年の古民家を引き継ぐことになったきっかけはこちらの記事をどうぞ

そんな建物、古民家好きの方にはたまらないそうで、噂を聞きつけてか、遠くから見に来てくださる方も度々。中には、車で4時間もかけて見に来てくださった方もいました。

箕澤屋の見るべきポイントをいくつか

人によって見るポイントはそれぞれなのですが、今まで私が見てきた中で特に見ると興味深いなーと思う場所をご紹介します。

手作業で砂利を敷いた土間

以前の土間を見たことがない方は、あまり気にならないかもしれないですが、この土間、半年前までは少し違う姿でした。

元々はその名の通り、土がむき出しの状態で、高低差もバラバラ。風が吹くと砂ぼこりが舞うような状態。

もちろん、そのままでも雰囲気があってよかったのですが、今後イベントやカフェなどで運営していくにあたり、このままだと使いにくいし、衛生的にもよくないね、ということで自分たちでできる最もやりやすい方法で、砂利を敷くことに。

その時の様子が、こちら。

お披露目会のスライドショーでも流していたのですが、今回これをメインに少し長めに編集してみました。

途中、ウロウロしているのは、手伝ってくれた知人のリクガメ、かめ吉ちゃん(女の子)。自分がいる場所を把握すべくなのか、我々が作業している間、ずーっと土間を何度も周遊しておりました。

古民家らしい 大きな梁

これが、なかなか写真だと伝わりづらいのですが、天井を見ると、どーんと大きな梁が目に入ります。

これだけ大きな梁が入っていれば、丈夫だろうねーと、皆さんが感心して見ていくポイントです。

独特な火棚をもつ囲炉裏

これこそ、ザ・古民家とも言えるところ。

中でも箕澤屋の囲炉裏は、独特の火棚があり、どういったしきたりなのか、毎年わら縄を1本ずつ巻いていくという慣習があったよう。わら縄が蒔いてある火棚の角をよく見ると、1本だけ新しめの縄が巻かれてます。

昭和の電話やテレビ

この電話、かわいいですねー。
昔はここにしか電話がなく、近隣の人々もここに電話をかけにきていたとか。

このテレビは割と新しいかな。 私も記憶にあるくらいですが、それでも昭和の香りがプンプンして、レトロ感満載。

展示スペースにあるもの

展示スペースには、過去のイベント時から飾られていたものや、今回の改修時に箕澤屋から出てきたものを展示しております。

箕澤屋の古い地図

明治の頃の箕澤屋家相図です。

この図にある明治の頃が、ちょうど箕澤屋でビールを造っていた時代で、敷地内にはまだ酒造倉庫などがあります。今とは少し異なる建物や配置を見比べてみてください。

(→かつて箕輪町に存在した地ビール、喜楽ビールのはなし

古時計やレコード

古時計も今買ったらいいお値段しますよね。
レコードは、昭和の頃のもの。

家主、プレーヤーを借りて、初めてレコードを聞いてみましたよ〜
だいたいが、お経のようなものだったり、戦争を思わせるような軍歌だったり。

その中でも、いくつかはクラシックっぽいものもあり、今の雰囲気にちょうどよいものもちらほら。
この家でレコードって、かなり雰囲気出ますね〜

三越のカタログや、昔のエロ本

そして、これ。
大正6年発行の三越のカタログなんかも出てきました。

着物がなんと20円ですよ!なんというインフレ率だ。

こちらは、昭和の頃の「夫婦生活」という雑誌。
これが当時のエロ本に当たるのかな。皆さん、興味津々です。笑

箱階段を登ると表れる、雰囲気あふれる空間

これもまた、テンションあがるポイント
この箱階段を登っていくと、

こーんなステキな部屋が。

もう少し整備したら、来年あたりは予約制で、茶室、またはカップル席なんかとして利用できるようにしたいなーなんて。

トイレに行く際には、上をチェック。隠し階段&女中部屋

あとは、ここ。

トイレに行くまでの通路なので、なかなか気づかないのですが、ぜひ上を見てみてください。

はしごがありますね〜。ということは!

そう、上の障子の奥には部屋があります。これが、昔の女中部屋、つまり奉公していた女性が寝ていた部屋です。

はしごを下ろすと、部屋にいくことができます。

晴れた日にはとっても心地よい濡れ縁

外に周りまして、ここはえんがわ市でもお馴染みの、濡れ縁です。

今の時期、日中はここが暖かくて一番気持ちいいですね。

裏庭&駕籠(非公開)

最後に、今は非公開となっている駕籠と裏庭です。

これらも来年あたりには、整備して見せられるようになればいいなーなんて考えてはいますが、なかなか手がつけられず。

しばらくは見ることができないのですが、いつか復活するのをお待ちしただければと思います。。

(2020年追記:保存していた古屋の解体のため、2019年5月に駕籠を引き取っていただきました

普段は見えない裏庭です。

これでも、何度か家族が草刈りしたんですがねー。

夏の草の勢いはすごく、また生い茂り、その後は、手がつけられていません。

次にまた整備するとしたら、来年あたりかな。

もし、古民家の庭造りをしてみたい、なんて方いらっしゃったら、ぜひご連絡ください。

以上が、ざーっと箕澤屋のポイント紹介でした。

ここで紹介しているのは、私が知っている範囲でなので、まだまだ歴史や見所は詰まっていると思います。

なかなか公開できる機会が多くないのですが、ご興味ある方は、ぜひSNSなどフォローしていただければありがたいです。

Ayana

Ayana

箕澤屋プロジェクト代表兼管理人。2014年にこの家の存在を知り、魅力的なこの家を残すために活動しています。夏だけかき氷カフェ店主。フルーツ農園の娘。同じく管理人Kobadaiと2人でゆるーい雑談Podcastもやってます。
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