古民家暮らしあるある。1年古民家で過ごしてみて分かったこと。

箕澤屋の改修が終了して早1年。

私が滞在しているのは、年間通してずーっとではないけれど、約1年この古民家で過ごしてみて、改めて古民家暮らしの良さ、大変さ、あー古民家にいるとよくあるよねー、ということなど、感じてきたあるある的なことを書こうと思います。

一言で古民家と言っても幅広いので、あくまでも前提として、長野の伊那谷にある築150年の大きな古民家で1年間過ごしたときに見えてきたことです。

その1. 風が吹くと黒いものが落ちる

古民家での滞在を始めてから、最初に不思議だったのがこれ。

ある時、家の中で歩いていると、何やら細かーい黒い物体が落ちている。

あれ?ここ昨日掃除したはずなのに、おかしいな。
もしかしたらきっと、ここだけ漏れたのかもしれない。

そんな風に思いながら、掃除しました。

しかし、また次の日にも同じ場所に細かい黒いものが。

やっぱり、おかしい。ここは昨日も掃除したはず。

と、同様のことがちょくちょく起こり、原因を考えていると、物体が落ちている日の前日は、必ず風が強い日だったことを思い出したんですね。

そうか、古い家だから、梁やら屋根やらに溜まったホコリや煤がどうしても落ちてきてしまうんだ、と気づきました。

同じように古民家に住んでいる方ともお話していると、そうそう!台風のあととかは、いつも落ちてるよー、と。

これは、古民家の宿命なのかもしれないな。

その2. 掃除にとにかく時間がかかる

古民家のサイズにもよると思うけれど、やはり広い庭付き一軒家が多いのではないでしょうか。

広い家は広々として、ほんっとに優雅な気分になれる。

それはメリットでありつつも、広いということは掃除もそれだけ大変ということ。

しかも、この箕澤屋は部屋が12もあるという大きさ。

夏の間のカフェ営業時、大広間を含めた使うエリアだけを掃除するのであっても、軽く1時間以上はかかります。

今まで、東京でこじんまりした1LDKのアパートに住んでいたときは、30分もあればある程度はきれいになっていたので、掃除とはここまで大変な仕事なのかと、改めて感じるようになりました。

しかも、片付ければいいのは部屋の中だけではありません。

これは、田舎の一軒家ならみんなそうかもしれないけど、中のあとは外。

夏に伸び放題の草刈りや庭の手入れ、クモの巣取りなど、どこまでを掃除と呼ぶのかわからないけれど、やることは尽きません。

その3. 虫が出没する

私が一番ダメだったのが…虫問題です。

ひと夏を越して、だいぶは慣れてきたけれど、この虫問題は古民家が嫌だと思える大きな部分。

虫との戦いは、だいたい心地よくなってくる春から始まり、7〜9月がピーク。

最初は、どこでも現れる見慣れた蚊やアリなど、そこまで驚かない虫が中心だったのですが、そのうちゲジゲジやムカデが突然部屋の中を歩いていたり、クモが大量発生したり、しまいには裏庭にスズメバチの巣が作られたりと、とにかくこのひと夏で、かわいいものから危険なものまで様々な虫たちに遭遇しました。

(→古民家の裏庭に作られたスズメバチの巣を駆除してもらったはなし

本当に、いつどこで現れるか分からないため、暑い夏でも窓も開けずに、布団を被らないと怖くて寝れない、なんて日も度々。

この虫問題さえなければ、夏の古民家は最高なのに。

今後はここを快適にするためにも、徹底的に対策していきます。

 

その4. DIYが得意になる

これは、古民家に住みたい理由になるかもしれない一つ。

狭いアパートではちょっとした箱作りだったとしても、なかなか気軽にできず、場所がない、道具がない、ホームセンターから運べない、などとひと苦労。結局、作るよりも買ったほうが安くて早いから、買ってしまおう、となるんですね。

しかし、古民家ならDIYし放題。

最初は道具代にお金がかかるけれど、作業する場所ならいくらでもあるうえ、直さなければならないところも次々と出てきます。

これは、DIYしちゃおう!と最初は小物づくりくらいから楽しんで始めるのですが、自分でできるとなると、あそこもここも、とやるべきところがたくさん見えてきて、次第に自分でやらざるを得ない状況になっていき、、、

いつの間にか、DIYの腕があがっていくという。

私もDIY初心者で、まだ古民家で過ごし始めて1年目というのに、お金をかけずにこの場所を快適にするには自分でやるしかない、とペンキ塗りやら棚づくりやら、ひたすら自分で作業しました。

で、1年前に比べるとだいぶ上手になってきたんじゃないかなーと、自分でも思います。

その5. とにかく冬が寒い、でも夏は快適

そして、一番はやっぱりこれです。

いろんなところで何度も言ってますが、やっぱり長野の古民家、冬は寒いです。

特にこれからの1月が最も寒い時期。

断熱材も入っていない隙間だらけの古い家、がんばって暖めても基本は寒いのでダウンが脱げません。

今でこそ、暖房器具や暖かい服があるから、何とかがんばって過ごせるけれど、昔の人は本当にどうやって過ごしていたんだろう。

それこそ、囲炉裏に火を炊いて、何とか寒さをしのいでいたのかな。

(→最低気温−13℃!真冬の古民家 in 長野はやっぱり寒い

その一方で、気温の面で言えば、夏は本当に快適です。

うだるような暑さの日でも、一歩家の中に入ると気温が下がって過ごしやすい。

こういうときに、がんばって汗をかきながら家の片付けやらなんやらをして、ゆっくりお酒を飲む。これこそ古民家の夏の贅沢です。

以上、箕澤屋管理人が思った古民家あるある的なことでした。

まだまだ私の古民家歴は浅いので、見えてない部分もたくさんあるとは思いますが、少しずつ発見しながらまた蓄積していこうと思います。

Ayana

Ayana

箕澤屋プロジェクト代表兼管理人。2014年にこの家の存在を知り、魅力的なこの家を残すために活動しています。夏だけかき氷カフェ店主。フルーツ農園の娘。同じく管理人Kobadaiと2人でゆるーい雑談Podcastもやってます。
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