生あんずはおいしい!こんなにおいしいのに、なぜあまり出回らないのか。

生あんずはおいしい

あんずの本シーズンがまもなく!
ということで、今日は生あんずのおいしさについて書きます。

生のあんず、食べたことありますか?

フルーツが好きな方や料理をよくする方にとっては、あんずって人気のフルーツなのですが、スーパーに常に並んでいるわけではないので、生で食べれるということを知らない人も意外と多いと思います。

私も東京に住んでいたときには、特別意識していたわけではなかったので、生あんずなんて一切食べたことがありませんでした。

あんずのイメージはというと、ドライになったあんず。

しかしながら私、ドライフルーツがあまり得意ではないのです。
進んで食べることはほとんどありません。

そのため、あんず自体、ほぼ食べる機会もありませんでした。

それがなぜ、生あんずを食べて、そのおいしさをここまで薦めているのか。

一言で言うと、父があんず農園を運営し始めたから。

元々、父は趣味の延長でりんごや桃、ネクタリンなど、いろいろなフルーツを作っていたので、子どもの頃から生フルーツは当たり前のように食べていました。

その後、東京に住み始めてからは、わざわざ買ってまでフルーツを食べようという気になれず、フルーツからはかけ離れた生活を送ってました。

そんな中、ある日、父から、あんずを植えるよ。と。

私はあまり関心もなかったのですが、その後、育ってきた生あんずを食べる機会ができました。

初めて生あんずを食べた感想。あ、おいしい。

なんだ、あんずって生で食べてもおいしいんじゃん。

シンプルにそう思いました。

むしろ、ドライが苦手な私にとっては、生のほうが断念おいしい。

甘みと酸味がちょうどよいバランスで、これだったらいくらでも食べれるや。

とまぁ、バクバク食べてたわけですが、ふと思いました。

「なんで生あんずって東京ではあまり売ってないんだろう?」

その答えは、身近であんず農園に関わり始めてすぐにわかりました。

生あんずがあまり出回らない理由

なぜ、ここまで生あんずが出回っていないか。

私が思う理由は、この3つです。

・収穫が不安定
・傷みが早い
・収穫シーズンが短い

収穫が不安定

こちらに関しては、安定して生産している農家さんも中にはいると思うので、あくまでも我が家のあんず農園の例でお話させていただきます。

2011年頃から始めたあんず農園、今まで8年ほど続けてきたことになるのですが、その中で豊作だったのは、たったの2回。

あんず農家

これは豊作だったときの写真。まさに鈴なり。
しかし、この光景が見れた年はかなり少ないです。

もちろん、苗を植えて最初の頃は安定しません。

収量が増えてくるのが、苗を植えてから3年目以降くらいなのですが、それにしても、思ったより収量が出ないね、という年が多いです。

収量に関しては、規模や地域、品種、技術など、いろんな要因が関わってくるので一概に言えませんが、一番影響しているのは、天気が考えられます。

あんずの花が咲くのが、春先。ちょうど桜もきれいな頃です。

果実が育つためには、花が咲いているときに受粉しないといけません。

しかし、4月の長野県って意外とまだ寒い。ときには、5月に入ってから雪が降る、なんてことも稀にあるのです。

そうなると怖いのが、遅霜です。

花が咲いたあとに、霜に当たってしまうことで、花が枯れてしまうという被害がでます。

もちろん、そんなときは天気を見つつ、できる限りの対策をとるのですが、それでも自然には勝てないことも多く、そんな年はあんずも不作となってしまいます。

あんずは、収穫時期的に、その遅霜の影響を受けることが多いため、収量を安定させるのが簡単ではないということが言えます。

傷みが早い

あんずは、傷みが早いです。

分かりやすいところで言うと、桃と同じくらいか、それよりも早いくらい。

とにかく、収穫したらすぐ傷みが進みます。

収穫しなくても、収穫タイミングを逃すとすぐ傷みます。

我が農園のあんずの品種は、3品種。
信州サワー、ニコニコット、おひさまコットです。

どれも、酸味が少なく生食用とされる品種のため、しっかり熟した状態で収穫します。

タイミングがばっちりあったときの、もぎたて生あんずのおいしいこと。

しかし、これが市場に出すとなると、そうもいきません。

収穫→卸売市場、そこから各スーパーや小売店に配送されるとなると、早くても収穫から1〜2日ほどは経過してしまいます。

そうすると、あんずの収穫時期である6月末〜7月上旬に1〜2日も置いておいたら、どうなるでしょう?

すぐ、傷みが出てきて、それが一気に全体に広がります。

そのため、市場に出すためには、まず傷みにくい実がしっかりした品種を選び、それを完熟よりもかなり早い段階で収穫、さらに冷蔵で配送しなければ、商品になりません。

そうすると、小さ農家はそもそも収量が少なく難しいうえ、そこまでコストや手間をかけて市場に出すことはしません。

それが、1つの理由にもなります。

収穫シーズンが短い

あとは、収穫シーズンの短さです。

上記にも書きましたが、あんずの収穫シーズンは品種によっての違いもありますが、それでもだいたい6月中旬から始まり、7月上旬には終わってしまいます。

長野県も北〜南と広いですが、それでもだいたい収穫時期はその1ヶ月に収まってしまうと思います。

そして、保存も効かない。

そうすると、意識していなければ自然と生あんずに触れる機会も減りますね。

逆に、シーズンが短いからこそ、貴重でそのファンも多い。

最近はネットで直販できるので、この時期を待ってましたと、生産地に予約している方も多いのではないかと思います。

今がシーズン。生あんずを見かけたら、ぜひ食べてみて。

生あんずのシーズンは、まさに今です。

手に入りにくいと言っても、時期とタイミングが合えば、探せばスーパーによっては扱っているところもあるはずです。

もし、偶然見つけたら、ぜひ生あんず、試してみてもらいたいなーと。

ただ、フルーツの難しいのが品種とタイミング。

そもそも品種まで選べないところもあり、タイミングも見定めなければベストなおいしさは味わえないのです。

やっぱり、生でベストな味わいの生あんずを食べたい!
そんな方はぜひ生産地に行って味わってみていただけたらなと。


以上、あんず農園を身近で見てきた管理人のあんずの話でした。

なお、箕澤屋の自家農園は、少し遅いのでこれからです。

あんず農園

が、昨年よりは若干少なめとの予想。
そのため、生あんずを提供できるかは、まだ何とも言えませんが、箕澤屋カフェでもあんずシロップは作る予定です。

かき氷好きな方は、そちらもぜひ試しに来店いただけたらうれしいです。

Ayana

Ayana

箕澤屋プロジェクト代表兼管理人。2014年にこの家の存在を知り、魅力的なこの家を残すために活動しています。夏だけかき氷カフェ店主。フルーツ農園の娘。同じく管理人Kobadaiと2人でゆるーい雑談Podcastもやってます。
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