杏ジャムの作り方 – あんず農家のレシピ

先日、ニューヨークのスーパーに行ったら、もうカリフォルニアの杏を販売し始めていて、もうこんな季節かーと思い、あんずを購入。今シーズン初の杏ジャムをつくりました。
ということは、長野の我が農園もこれからがシーズン。長野県の千曲市では、もう販売開始されてるようですが、箕澤屋の自家農園は、品種の違いと、標高が高いこともあって少し遅いのです。
あんずメニューに力を入れている箕澤屋です。
せっかくなのであんずジャムのレシピをまとめることにしました。
あんずジャムはいたって簡単。
自然のペクチンが豊富&酸味もあるからレモンを足したりしなくてOK。
あんずとグラニュー糖さえあればできる。
だから私も好きなのです。
面倒くさいことが大の苦手なので。
そんな面倒くさがりのフルーツ農家の娘がつくる、あんずジャムの作り方を紹介します。
あんずジャムの材料・作り方
生あんず お好みの分量
グラニュー糖 あんずの分量に対して半量程度(種を取り除いたあと)
(1) あんずを半分に割って、種をとる

私があんずが好きなのは、処理がしやすいこと。
半分に包丁を入れてクルッとひねるだけで、簡単に実がとれます。
あんずの皮は薄いのでそのままでOK。
傷みなどがある場合は、その部分も取り除きます。
食べる分には傷みが残っていても問題ないですが、仕上がりの色や味に影響してくるのです。
この処理作業は、できるだけ手早くやります。
あんずの状態にもよりますが、熟したあんずの場合、傷みがとっても早いので、作業している間にも色が変わっていってしまいます。
特に真夏の気温の高い時期は時間との戦いです。
そして、この作業がジャム作りの最も大変なところとも言えます。
これさえ終われば、半分以上は終わったようなもの。
収穫時期になると、大量のフルーツの処理に追われる我が家は、時計を見て目標を決めて、母と一緒になってスピード勝負をしています。
なお、我が家では、熟し具合や品種によっても、仕上がりや甘みが変わってくるので、追熟させたり、グラニュー糖の分量を変えたりして調整しています。
もしスーパーなどで買ったあんずで、まだ固くて酸味が強い場合は、1〜2日常温で追熟させると、甘みが増してまろやかに、砂糖も控えめにできますよ。
(2) 分量を計って鍋に入れる

種を取り除いた実の分量を計って鍋に投入!

グラニュー糖を加えて、数時間〜半日程度、グラニュー糖が溶けて水分が出るまで置きます。
というのが、一般的ではありますが、家庭で作る場合はすぐに煮詰め始めちゃってもOK。我が家もフルーツが大量にできる時期なんかは、待ってられません。
時間短縮できるところはしちゃいましょう。
(3) 焦げない程度の強火で煮詰める

よく言われていることですが、ジャムの基本は、手早く!
じっくりコトコト煮込んでいると、形がなくなり、色もくすんできてしまいます。
とは言っても、強火で煮込むと焦げ付きやすい。
なので、焦げ付かない程度の中〜強火でヘラで混ぜながら煮詰め、焦げ付きそうと思ったら火を弱めます。
煮詰め時間は、分量にもよりますが、500gくらいのあんずであれば10分もかからないかな。
ちなみに、私は大量につくるときに、薄いタイプのホーロー鍋を使ってるんですね。そのため、火も一気に通りやすく、ちょっと目を離すと一気に焦げ付く。
焦げ付いた瞬間、やってしまったー!
今まで、何度これをやってしまったことか。
しかも、フルーツの中でも、なぜかあんずが一番焦げ付きやすい印象なんですね。
そのため、この煮詰める瞬間はいっときも目が離せません。毎度このときばかりは、誰も声をかけてくれるな、集中タイム、の瞬間です。
そんなわけなので、面倒くさがりな方には、厚い鍋の方がおすすめです。
途中、アクが出てくるので、気になる場合は煮込み始めて泡になっている部分がまとまってきたら、すくって取ります。
ただ、これも面倒くさい場合は、スキップしてOK!
繊細な方であれば、多少の雑味が残るのが気になるかもしれませんが、取らなくても問題はありません。正直、私は比較しなければ味の違いは分かりません。
なので、時間のないときに、パッと作りたい。そんなときは、そのまま煮込んでしまいます。
(4) とろみが出てちょうどよい固さになったら火を止めて、瓶に入れて完成

煮詰めたあんずにとろみが出てきたら、まもなく完成です。
この最後の瞬間は、急激に訪れるのでよーく様子を見ながら、今だ!というときに火を止めます。
ちゃんととろみがついて、ジャムになっているか確認する場合は、コップテストをすると分かりやすいです。
コップテストを知らない方のために、コップテストの方法。
コップに水をいっぱい入れて、そこに煮詰めたあんずジャムを一滴垂らします。そのジャムが塊になって落ちればジャムになっています。
これが、塊にならず、散ってしまう場合は、ゲル化しておらず、ジャムになりきっていないので、もう少し煮詰めたほうがいいかもしれない。というサイン。
とは言っても、ここも個人的には好みだから、柔らかめが好きな方は、そのままでもOKです。
違いとしては、あまり固まっていないと、日持ちがしにくいので、その場合は、早めに食べてしまいましょう。
しっかり日持ちさせたいときは、しっかりゲル化させ、さらに瓶詰めしたあとに、さらに瓶ごと煮沸消毒することをおすすめします。

こちらが瓶に詰めたあんずジャムたち。
いい色ですねー。
何もしなくてもこんな色が出せるのは、あんずだからこそ。
さて、これからが1年に1回だけ、旬の短い貴重なあんずシーズンです。
あんずファンはもちろん、あんずのことをまだあまり知らない方は、ぜひ生あんずを見つけたら、いろいろとためしてみてはいかがでしょう。